灯油ストーブやガスストーブ、電気ストーブとは違い、薪ストーブには独自の温かみがあるため、近年、自宅に薪ストーブを導入する家庭が増えています。ただ、薪ストーブは火を自ら起こすので、危険なのでは?と、安全性を心配される方も多いのが現状です。
薪ストーブは危険な暖房器具であるのか、答えは否です。
ただし、定期的に煙突掃除などのメンテナンスをしっかりと行なっている場合に限ります。
今回は煙突掃除を怠った場合に起こりうる「煙道火災」について書きます。
目次
煙道火災とは
煙道火災の原因となる物質は、煙突内に溜まったクレオソートである。クレオソールとは、燃焼の時に薪から発生する可燃性の煙(ガス)が、ドラフト効果(煙突の下の部分が温められると、筒の中で上昇気流が発生すること)によって上昇し、冷えた煙突上部の内壁に触れて固まったものです。要は「黒いスス」です。
クレオソールが溜まると煙突の排気力が低下して、不完全燃焼が起きやすくなり、さらに未燃焼の可燃性の煙が増加し、クレオソールを増やすことになります。
※クレオソール(黒いスス)
この時、薪ストーブ内にある薪の燃えが悪くなり、焚き付けや紙などを追加すると火の粉が煙突内のクレオソールに引火して、激しく炎上します。
この現象を煙道火災といいます。
※煙突内壁で煙道火災が起こっている図
煙道火災の炎は、炭化によって発生したクレオーソールが燃えるために非常に高温で、1000度を超える場合もあり、家屋(屋根など)に深刻なダメージを与え、火災を起こす可能性もあります。我が家では、幸いにして煙道火災を起こしたことはありませんが、実は煙突掃除を3年していないので、いつ煙道火災が起きても不思議ではありません。(怖いなら掃除をすればいいのに・・今年は煙突掃除します!)
煙道火災を防ぐには
先ほど書きましたが、煙道火災の原因は、クレオソールが煙突内壁に付着することです。
クレオソールは広葉樹でも針葉樹でも、どのような薪を焚いても発生します。燃焼状態が悪いとより多く発生するので、十分に感想した薪を使用することが大切です。
薪ストーブ内に薪を入れすぎる、燃焼用空気の絞りすぎに注意して、不完全燃焼を起こさないように運転することが大切です。
また、クレオソールは、薪から発生した可燃性の煙(ガス)が燃えきれないまま、ドラフトによって上昇し、冷たい外気によって液化して付着したものです。
冷たい外気の影響を受けなければ、クレオソールの発生を抑えることができます。つまり、断熱性能の高い煙突(二重煙突など)ならば、未燃焼の可燃性の煙(ガス)が液化する可能性が低くなります。
薪ストーブを導入する際、二重煙突を使えばより安全に薪ストーブライフを楽しめることができるのです。ただし、二重煙突は薪ストーブ本体以上に高価なものです。我が家の煙突も二重煙突であるが、設置に50万円の費用がかかりました。
ただし、二重煙突でもクレオソールは発生するので、定期的に煙突の内壁をクリーニングしてクレオソールを落としてしまう、つまり煙突掃除が最も煙道火災を防ぐのに有効である。
※我が家の二重煙突。ちょっとイビツな形でクレオソールが溜まりやすい。
煙道火災が起こったら
煙道火災が起こると、煙突上部でクレオソールが溜まっている煙突内壁に着火します。煙突内部での現象なので、室内からでは気づかない場合もあるが、燃焼により急激にドラフトが強くなるので、空気の吸い込み音が大きく聞こえる。この時は、薪ストーブに水をかけて消火するなどはせず、溜まったクレオソートが燃え尽きるのを待つだけとなります。一度の煙道火災で、家が全焼してしまうことは稀であるので、起こってしまったら、収まるのを待ち、翌日に煙突掃除をしましょう。
まとめ
非常に怖い、煙道火災ですが、定期的に煙突掃除などのメンテナンスを行えば、防げるものですので、煙突掃除は最低でも2年に一回は行った方が良いのではないか思います。(今年は煙突掃除を薪ストーブ屋に依頼します。痛い出費だが、家が全焼するよりマシだろう)
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