こんにちは!えび妻です。
先日「夫がうつ病を発症する前の話」を記事にしましたが、今日はその続き、第2話です。
夫に限界が来た時、私から子ども達へ伝えたこと
旅行まであと数日となった頃、夫は毎日のように
仕事辞めたい。
行きたくない。
を繰り返していました。
そんな夫を前に私は、肩を揉んだり、手をマッサージしたり、時には、「お家でカフェをやろうか!それとも雑貨屋にする?・・」なんて、夢見話をする事しか出来ませんでした。
毎日、夫を騙し騙し送り出し、なるべく好きな食事を用意し、帰ってきたら仕事の話をゆっくり聞き、夜眠れない夫と手を繋ぎ、話をし、少しでも眠れる環境をつくる事ぐらいしかしてあげられませんでした。
夫はもう限界にきていたんだと思います。
この頃、子ども達も夫の異変に気付き始めていました。
特に小学2年の長男は、敏感に物事を感じる子で「夫の元気の無さ、私のただならぬ対応に、戸惑い、不安になり、空気を読んで良い子でいよう」と、努力していた様に思います。
その頃、子ども達を叱った記憶は全くありません。それだけ、子ども達が気を遣ってくれていたんですね。
私に出来ることは、極力不安そうにする姿は見せないこと、とにかくいつも笑顔でいることを、心掛けました。
綺麗事ではなく、実際、子ども達が私の心の支えでした。
夫と直面していない分、子どもと接することが私の逃げ場で、心の平穏を保つ癒しだったのだと思います。
でも子ども達には、大切な家族である夫の今の状況を、隠す事なく全て伝えました。
訳も分からず、違和感を感じているよりは、絶対に良いと思ったからです。
パパは今、すごくお仕事が忙しいでしょ?
家族の為に、一生懸命働いてくれているよね!
ありがとう、だよねー!
でも、少し頑張りすぎて、身体も心も疲れてしまったの。
みんなと一緒に笑えないくらいに。
でもさ、パパが1日でも早くまた笑ってくれる様に、みんなで優しくしようね。
元気が無くて心配だと思うけど、みんなが優しくすると、
きっと嬉しくて元気が出てくるよね!
と・・・。
3歳の次男は、理解できたか分かりませんが、8歳の長男と5歳の長女は、
真剣に、懸命に、理解しようと話を聞いてくれました。
この頃の夫は、自分の事に精一杯で、子ども達が話しかけても、呼んでも、あまり反応はありませんでした。
でも、事前に子ども達に話をしていたお陰で、
パパ、また全然聞いてないやー
でも疲れてるから、仕方ないか!
と言ったり、パパがうたた寝をしている時は静かに過ごすなど、子ども達なりに考え、怒らず、前向きにパパと接してくれました。
そんな子供達を見て、私も心穏やかに夫と接することができていました。
何より、結婚して丸10年、夫の事をこんなにも愛おしくて愛おしくて仕方がないと思ったことはありませんでしたし、めちゃくちゃ夫を愛していたんだなぁと、ひしひし実感しました。
より一層、家族が大切で、夫が大切で、今まで普通に過ごせていた事が、感謝しなくちゃいけないことなんだ、と知ることができました。
そして・・・。
夫の家族と行くディズニー旅行前日、明日会った夫を見て、びっくりさせてはいけないと思い、今の状況を説明するため、両親に連絡をしました。
状況を説明したあと、夫に電話を代わると、
うん、
うん、わかった、
うん、
と、言葉少なに父と話す夫が・・・静かに泣いていたのです。
一緒にいるようになってから15年弱、夫の涙を見たのは初めてでした。
電話を切った後も、震える声で私に
ごめんね、
こんなんなっちゃってごめんね、
辛い思いさせてごめんね、
泣かせてごめんね。
と何度も謝るのです・・・。
その時は、2人で声を出して泣きました。
今の状況に。この先の不安に。何も見えない解決策に。
涙が止まりませんでした。
そして翌日、空港で合流した家族は、何事もなかったかのように、普通に接してくれました。夫をそっとしておいてくれたのが、とてもありがたかったことを覚えています。
その後、搭乗。ディズニーへ向けての旅行がスタートしました。
私もこの頃少しづつ、疲れて来ていたのだと思います。
搭乗中、少し寝たいな。無理して笑顔を作らず、ただただ身体を休めたいな。
そして夫も、少しでも休めたらいいな、と思っていたのです。
そしてふと後列に座る夫を見た時、なんと夫は、目を真っ赤にして泣いていたのです。
あ!しまった!気を抜いてしまった!
と思いました。
そして、夫の隣に座る長男を見た時、私は胸が押し潰されそうになりました。
心配するように泣きそうな目で夫を見た後、窓の外を見て、見て見ぬ振りをしていたのです。
そしてまた、夫を心配そうに見て、窓の外を見る・・・。
私はなんて声をかけたらいいのか、分かりませんでした。
夫が泣いていた事にも、気が動転していたんだと思います。
でも、長男と目があった時、
「だいじょうぶ。だいじょうぶだよ。」
と何度も頷きながら、安心させるように微笑んだのを覚えています。
長男は、小さく頷き、また窓の外を見ていました。
今すぐ、近くに行って抱きしめたい。
手を握って安心させてあげたい。
安心できるような言葉をかけてあげたい
と思いましたが、狭い飛行機の中、静かに泣く夫が変に目立ってしまうのも嫌で、その時の私は長男の元へ行ってあげることは出来ませんでした。
ごめんね、ごめんね、
心配な気持ちにさせてごめんね、
パパの隣に座らせちゃってごめんね、
不安にさせてごめんね。
長男の気持ちを思うと、居た堪れない気持ちと、申し訳なさと、切なさと、本当に胸が押し潰されそうな気持ちになりました。
8歳の頭で、パパの事を心配して気を遣ってくれていると思うと、胸が苦しくなりました。
そして、この先の旅行を思うと、不安と焦燥感でいっぱいに・・・でも、子供達だけでも思いっきり楽しませてあげたい気持ちとがごちゃ混ぜになり、飛行機に乗っていた時間が、とてつもなく長く長く感じたのでした。
第3話に続く。
この頃が一番色々な事がピークで、 話がなかなか先へ進めなくてすみません。。